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第二章「遊戯」

 

「ここは、大広間か…」

「大きな扉が一つ…先程と同じような仕掛けかしら?」

「どうだろう。辺りには謎解きらしきものは存在しないようだが…あれは⁉︎」

上を見上げたウィンディが何かを発見する。そこには大きな折に閉じ込められた人々が天井から釣り上げられていた。

「もしかして、行方不明の人達…⁉︎」

「そうだろうね。でもあそこからどうやれば救出できるか…?」

「ダメだよ?あの人達は罰ゲームを受けているんだから…」

「誰ですの⁉︎」

「はじめまして。私はアリスティア。アリスって呼んでね」

「アリス…君がこの事件の犯人なのか?」

「事件?なんのこと?」

「とぼけるんじゃありませんわ!あなたが多くの人をこの檻に閉じ込めている張本人ですわよね!」

「あ、それのこと?言ったでしょ?あれは罰ゲーム。私が作った謎解きを解けなかった人達なの。みんな解けなくて暇だったんだけど、ようやく解けた人がいたから、アリス会いにきたの!ねぇ、一緒に遊びましょ?」

「遠慮しておくよ、僕たちは君を捕まえてこの事件を解決しなければならないのでね」

「そういうことですので、大人しく捕まってくださいます?」

「アリスを捕まえるの?」

「悪いがそうさせてもらうよ」

「じゃあ…追いかけっこだ!あなたたちが鬼ね!アリスを捕まえてごらん♪」

「あっ、待ちなさい!逃がさないわよ!」

 エリスが咄嗟に追いかけようとすると、大量の人形が現れ、その行く手を塞いできた。

「追いかけっこスタート♪」

「なんですの⁉︎この人形は…?」

「まるで意思があるような動き…これも彼女の才能によるものか。しかし、これでは人形が邪魔で先へ進めないな」

「いいことを思い付きましたわ!」

 そう言うと、エリスは傘の形状をした銃を構え人形に向けて発砲する。

「敵でしたら、遠慮なく乱暴しても構いませんわよね!」

「ふむ、少々手荒だが先に進むためだ、僕も戦うとしよう」

「あーもう!どれだれいるんですの⁉︎これじゃあいくら経っても前に進めませんわ!」

「全く減っている気がしないな。このままだと弾薬が尽きてしまう…」

「はぁあああああああっ!」

ドゴォン‼︎と大きな音と共に、辺りの敵が吹き飛んでいく。

「みんな、大丈夫!」

「きひひ、生きてる?」

「カルミナ、それにリリーサも!助かったわ!」

「きひひひっ♪ねぇ、こいつら全部やっちゃっていいんだよねぇ⁉︎」

「ええ、勿論ですわ」

「んじゃ、やっちゃよーっ‼︎」

ニヤリと笑みを浮かべると、リリーサは銃とナイフを持ち敵に特攻して行った。素早い動きで翻弄し、次々に敵を倒していくリリーサ。

「よし!今だみんな!」

一瞬できた道をウィンディの号令とともに駆け抜ける。

「リリーサちゃんここは任せたわよ!」

「…そうだギルフィードくん、犯人についてわかったことがある。彼女の名はアリスティア、見た感じ十歳前後の少女で、才能に関しては憶測だが空間を操る力だ。この情報をもとに彼女について調べてくれ」

『了解しました』

「さぁ、早く行きますわよ!」

 扉を開けると、先が見えないほどに高く、長い螺旋階段があった。

「随分と高い階段ね」

「うっ…」

「ウィンディくん⁉︎どうしたの!」

「ああ、先の戦いの時に足をね…」

「少し休んだらどうかしら?」

「そうだね、この先は君たちに任せ、僕はここで休んでいくよ」

「了解、いくわよエリスちゃん!」

 

「ウィリアムさん、ちょっといいですか?」

「ん、どうした?」

「アリスティアという名前の少女について何かご存知ですか?」

「アリスティア?…うーん、そういえば少し前に同じ名前の子が強力な才能を持っているって話は聞いたことがあるな」

「なるほど。で、その才能というのは?」

「空間系の才能だったかな?んで、その才能が強力すぎたせいで両親は彼女を恐れ、忌み嫌い、挙げ句の果ては彼女を捨てたらしい」

「空間系の才能…。おそらくその子が自分が調査している子と同一人物で間違い無いでしょう。さて、その情報をもとにさらに調査をします…それと、あなたもいい加減働いてください!何新聞なんか読んでいるんですか!」

「何って…そりゃあ競馬に決まってるだろ‼︎…ってなんだお前そのゴミを見るような目はっ‼︎」

「今部下が危険に身を置きながら仕事をしているんです!こんな所で油売ってないで、あなたも動いてください!」

「おいおい…正論攻撃は効くぜぇ? …ま、今回は思ったよりやばいみたいだからなぁ。しょうがねぇ…よし、とりあえずタバコを買ってくるわ!」

「なっ⁉︎ここまで行ってタバコですか⁉︎もう知りませんからね!僕は行きますから‼︎」

 バタンッと勢いよく扉を閉め調査に向かうギルフィード。

「…まったく、従順で可愛い助手はどこに行ったんだか…じゃ、俺も行くとするか…」

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